著/料理研究家 土井善晴・漫画家 小波田えま
雑誌『おかずのクッキング』(テレビ朝日発行)の人気連載が単行本に!
漫画家の小波田えまさんが、料理研究家の土井善晴先生から「清く正しい家庭料理」を学ぶコミックエッセイ。
料理の本質を熱く語ります。
感想としては、レシピ本というより家庭料理の心構え。
レシピももちろん素晴らしいけど、最近流行りの
- 「簡単料理!」
- 「この食材だけで作れます!」
みたいなのではないです。
ごくごく普通の家庭料理。だから少しの手間はかかる。
でも作れたら嬉しいし日常が豊かになる料理の数々は、やっぱり土井先生は家庭料理の研究科だなって再確認させてくれます。
本のレシピにも
「なぜそうするのですか?」
「自分を見失ったらいけません」
「流れを作るだけです」
など、どう料理と向き合っていけばいいか土井先生流に語られています。
本書の土井先生はチャーミングですが少し掴みどころがないように描かれています。
軽く突き放したような
「ごまかすってなに?」
「どうしてそうしますのん?」
「そんなんどうでもいいですわ」
とかとか。
聞く人が聞けば冷たい印象をもたれるかもしれません。
でももしそんな印象を持ったとしても、あとがきを読めばひっくり返ります。
繰り返しますが、毎日の食事は、がんばらないとできないようなことはしない。手のかかる料理を作ろうとして、「面倒くさい」を声に出して苦しむことは、悲しい。いつもご機嫌に。時間もお金も心にも余裕があれば、魚を焼く。家族を喜ばせてあげたい時に、なにか作る。
作り手に真摯に優しい。
料理を作るということは幸福につながらなきゃいけない。
そのための料理が手間のせいでしんどくなるなら、楽してもいい。
時々余裕がある時に張り切ればいい。
少しつっけんどんな土井先生の態度も「家庭料理はそんなもんでいい」「幸せにならなきゃいけない」という信念や料理への信頼があるのかもしれません。
こちらも料理の作り手に深い愛情や慈しみを感じられる本。
土井先生を手 軽に知りたいなら「マンガ お料理再発見」
深く知りたいなら「一汁一菜でよいという提案 」
をオススメします。
以上です。読んで頂きありがとうございました!
Vtuberなりたいおじさんことヨコヤマでした。
またよろしくおねがいします。