中原中也はイキリエピソード満載
幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました(サーカス)
汚れっちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる
などなどの素晴らしい詩を残した詩人中原中也。
個人的に教科書に載ってる写真がとても若々しくイケメンなのが印象的です。
そんな中原中也、イメージを壊すようですがかなりのイキリ野郎でした。
数々のエピソードがあり、大変微笑ましかったので個人的に好きなものを紹介します。
学校の勉強は簡単と言いながら成績はどん底。
中也は開業医の名医の長男として生まれ、幼い頃は神童と呼ばれるほど優秀でした。
しかし中学に上がると読書三昧で成績はどん底に。神童と呼ばれてた子が成長するにつれ落ちこぼれるのはあるあるですが、その割に
「学校なんて一週間でできることを1年かけてするところ」
と言い放っています。これが中也イズム。まず成績上げろ。
ケンカは売るけどデカイ奴は怖い
ある店で坂口安吾が飲んでいると酔っ払った中也が現れました。
この店には中也のお気に入りの女性がいて、彼女が安吾に惹かれているのを嫉妬した中
也は「ヤイ!アンゴ!」と喧嘩をしかけます。
しかし小柄な中也は体格のでかい安吾にビビり、少し離れたところでシャドーボクシン
グを繰り出し続ける。決して飛びかかったりしない、だって怖いから。まさにイキリ中学生。
そんな中也を見て爆笑した安吾は「一緒に飲もうぜ」と中也を誘い、中也も反抗する
ことなく飲んでそれから二人は仲良しに。情けないぞ中也。でもそこが好き。
友人小林に彼女を寝取られる
中也は友人の小林秀雄という作家に自分の彼女である泰子を取られてしまったことがあります。
中也と泰子は同棲していたんですが、泰子が小林と惹かれ合ってしまい、結局泰子は中也の元を去ることになります。
中也は泰子の引っ越しを手伝い(これもどうかと思いますが)荷物を小林家まで届けました。
そして中也が帰ろうとすると、
泰子「少し遊んでいきなよ」
小林「ちょっと上がれば」
中也「・・・じゃあお邪魔して」
引き止める方もイカれてるし、上がる方もどうかしてる。
小林と泰子の同棲は2年に渡りますが順調とは言いづらく、泰子がヒステリーを起こし、ついに耐えきれなくなった小林が家を出ていくという事件が起きます。
小林は母や妹といった親類にも行き先を告げておらず、「こりゃえらいことだ」と小説家周りも大騒ぎに。
周りが心配する中その時の中也の様子は、
「中也の浮き浮きした様子は小林の行方と泰子の将来を心配している人間のそれではなかった。もめごとで走り廻るのを喜んでいるおたんこなすの顔であった。」(大岡昇平「朝の歌」)
こいつ最低だな。
でも作品が良ければ全て良し
こんなイキったエピソードの多い中也ですが、文句なしに中也の詩は素晴らしいです。
作者の人間性と作品は別。ダメなやつが最高の作品と書くこともあるし、善良な人間が書くものが良いものとは限らない。
私は中也の人間性を知っても、やっぱりこいつの詩は最高だなと思っていまいます。
だからこそ中也の作品はこの時代まで残ってるのかもしれません。
結論、人間性最悪でも、残す作品が最高ならチャラ。
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