徳富蘆花のクズエピソード
他人を善人帳と悪人帳に分ける陰キャ
幼い頃から蘆花がどういった人物だったか分かるエピソードがあります。
兄の徳富蘇峰が言うには、蘆花は昔からノートを2つ持っていたそうです。
それは善人帳と悪人帳。
自分の好きな人は善人帳に、嫌いな人は悪人帳に書き込んでいたそうです。
そしてこの気質を死ぬまで持っていただろうと蘇峰は語っています。
この、人を好き嫌いで分けてわざわざ書き込むの、すっごい陰キャの根性悪そうな感じが出ていて香ばしいですね。
突然突きつける兄への絶交
兄、徳富蘇峰は明治大正昭和と文壇に立ち続けた偉大な人物です。
そんな兄にコンプレックスバチバチなのが蘆花。
ある日突然蘇峰に向かって絶交書を叩きつけます。
しかも小説の中で!
小説『黒潮』の巻頭で「蘇峰家兄」と掲げて自費出版。
このセンセーショナルな出来事のおかげで内容はともかく『黒潮』は大ヒット!蘆花も嬉しかったことでしょう。
今で言う炎上商法に近いでしょうか。
突然の出来事に蘇峰は怒っていいと思うんですが、特に報復することなく静観。
妻に気持ちを尋ねられたところ「兄弟は兄弟たい」と答えたとか。いいお兄ちゃんや……。
(ただ蘆花が兄にコンプレックスを抱いた理由の一つに家庭内差別があったっぽいです。
兄は長男として何でも与えられ、5歳下の蘇峰は母親からのろまと罵倒されたり。
親に家を建ててあげたのに気に入られず顧みられなかったり。
そういったことでコンプレックスが増大していったのかもしれません)
DVで愛を確かめるクズ
そんな出来事がありましたが、父が亡くなってしまい葬儀に出席しなければいけなくなりました。
しかし蘇峰は兄と絶交しているので出席できない。
なので妻を代理で参加させました。
その後蘆花は「妻は兄に惹かれている!」と思いこんでしまいます。
どうやら「兄は俺より強いから好きになるに違いない!」という理由みたい。小学生男子の論理構造か。
そうして激しい嫉妬を起こした蘆花は妻を虐待!日常的なものになっていきました。
そんな妻の発言があります。
「勿論、誰だってなぐられてよろこぶものはおりませんが、いつの間にか私は、主人の発作的な乱暴を耐え忍んでいるうちに、夕立のような痛快なものを感じるようになっていました。
今にして思えば、それが、随分歪められた形ではありますけれども、夫婦愛の最初の目覚めであったかもしれません」
(「蘆花と共に――私の歩んだ道」より)
おうふ……見事な共依存。皆さんはこうなる前に公共機関に相談してくださいね。
使用人に手を出す性欲モンスター
被害者は妻に留まりません。
蘆花は大正三年、居候させていた栞という女性を襲ってしまいます(未遂)。
これで反省したらいいものを、今度は十七歳の玉という使用人に心惹かれる始末。
日記ではこんな事が書かれています。
全部書くと不健全認定されそうなのでざっくりとにしますが「妻としたけど玉とした気になったなー。スゴイ興奮してすぐ終わってしまっちゃった。多分玉とする時も上手くできないんだろうなー」。
この時蘆花は49歳。お盛んですね。
偉大な兄への大きなコンプレックス
そんな蘆花は昭和二年に心臓発作で倒れ、駆けつけた兄と再会した夜に亡くなります。
蘇峰には「後のことはよろしく頼む」とお願いしたそうです。
蘇峰は弔事で「私が人心付いてから今日に至るまで、弟に対する感じと云うものは毛頭変わりませぬ」と蘆花への思いを語っています。
偉大なる兄へのコンプレックスに振り回された文豪、蘆花のクズエピソードでした。
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