「まんがキッチンおかわり」はマンガ×食事
どうもヨコヤマです。
今回は「まんがキッチンおかわり」を読みました。
最近「マンガ料理を再現したいなー」という欲が出てきたので参考にできそうのを探してたら出会った本。
マンガに出てくる料理を色々作ってみましたという本なのかと思いきや全然違いました。
こちらの本、マンガと食事との関わりについてのエッセイ本です。
ですので「マンガに出てくるレシピを知りたい」という方が買うと少しガッカリするかもしれません。
しかし「マンガと食事ってこんなに密接に関わってるんだ!」とマンガ作品に対しての造詣や深い知識がほしいという方にはオススメの本となっています。
中身としては、各作品の解説と作品をイメージして作られたお菓子とレシピが書かれています。
作品に出てくる、ではなく、作品をイメージした、というのがミソ。
例えば『3月のライオン』では作中に出てくるいなり寿司や和菓子ではなく、主人公の桐山くんが読破した棋譜をイメージして作られたラスクが掲載されています。
パンと牛乳の咀嚼から分厚い棋譜を食べつくす勢いで摂取するコマのつなぎは、脳の思考と食欲が渾然一体となる瞬間を見事に切り取って美しい。食べるように読む。あの棋譜を味わいたくて、パンをラスクに製本してみた。
と書かれていることから、あくまで作者の深田さんが印象に残った場面やキャラをモチーフにしたお菓子が載っています。
『ガラスの仮面』だと紫のバラのクッキーだったり。これが料理再現だったらマヤが舞台上で食わされた泥饅頭だったかもしれません。
フード理論三原則
あと個人的に本書の初めに書かれているフード理論が面白かったです。
フード理論三原則
- 善人は、フードをおいしそうに食べる
- 正体不明者は、フードを食べない
- 悪人は、フードを粗末に扱う
物語に食べ物を登場させると登場人物の性格や感情、置かれた状況を読者へ伝えるのにきわめて有効だと作者の福田さんは書いています。
それが上のフード理論。
たしかに劇中でおにぎりを口いっぱいに頬張ってたら「ああこの人はいい人そうだな」とか、苛立ち混じりにハンバーガーを投げ捨ててたら「こいついけ好かないな」とか思いますもんね。
今後いろんな作品を見る中で、登場人物の食べ物の扱いが気になりなるようになりました。作品鑑賞の一つの指針となりそうな理論です。
ただこの理論どっかで見たなーと思って探してみたら「ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50」という本に同じこと書いてたことを思いだしました。
ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50
制作界隈では有名な理論なのかなと思ってたら、「ゴロツキは~」の方の作者も福田里香さん!
気づかずおんなじ作者の本を読んでました。こういう気付きって僕的にかなり嬉しいんですけど、共感してくれる人います?
お気に入りは『ポーの一族』の「ばら科のフレーバーウォーター」
お気に入りは萩尾望都の『ポーの一族」をイメージした「ばら科のフレーバーウォーター」。
ポーの一族 文庫版 コミック 全3巻完結セット (小学館文庫)
吸血鬼(バンパネラ)である主人公たちが血液の代わりに度々摂取していたバラのエッセンスをイメージしたフレーバーウォーター。
作中でバラの水を飲むエドガーやアランを見て「スゲー透明感のあるいい香りのやつなんだろうな」と憧れていました。
それをフレーバーウォーターで再現するなんて・・・。あーこの手があったかという感じ。
もしもセブンイレブンとかで販売してくれたらバンパネラになる勢いで買い尽くすのに。どこかのコンビニさん販売してくれませんか?
インタビューも充実
他にも食とマンガについてのインタビューが多数載っています。
マンガ作者さんについて深く知りたい人は、読んでおくと作品への理解も深まるかもしれません。
- 『進撃の巨人』の作者である諫山創さん
- 『昭和元禄落語心中』の雲田はるこさん
- 『ウツボラ』など数々の名作を描いてきた中村明日美子さん
などのインタビューが載っています。
ファンの方は一読するともっと作者さんが好きになるかもです。
オススメ
「まんがキッチンおかわり」
- マンガと食についての関わりが知りたい。
- マンガをモチーフにしたキレイなスイーツやお菓子を眺めたい。
- マンガ作者の食についてのインタビューや意見が読みたい。
という方にオススメです!
もし気になれば是非読んでみてください。
読んでいただきありがとうございました!
ヨコヤマでした。
次回も良ければよろしくおねがいします。